そんなとき愛用するのが翻訳訳語辞典だ。これは翻訳家の山岡洋一氏を中心として収集された自然な日本語訳のデータベースである。信頼できる翻訳家が邦訳した本と、日本語で書かれた本の英訳を出典にして、実際に使われた訳語がまとめられている。
特長としては、まず、(1) 通常の英和辞典にない訳語が多数収録されている。
(2) 活用を重視している。これにより、文脈に添った自然な日本語訳を知ることができるわけである。
(3) 出典を示しているため、各々の訳語がどのような文脈で使われたか調べられるようになっている。
例えば、enjoyという動詞が抽象名詞の目的語を取るとき、「享受する」とかいう訳語が普通の辞書には載っているわけだが、そう翻訳するとぎこちない訳文になるなーという場合が少なくない。この訳語辞典を引くと、「味わう」「ひたる」「堪能する」などなど、いやというほど自然な訳語を知ることができるのである。何とありがたい辞典であろうか。
このすぐれたリソースを無料で公開しておられる山岡洋一氏には本当に感謝したいと思う。



